表計算ソフトのエクセルで、あるセルに入力した計算式を別のセルにコピーするとき、コピーした位置に応じて計算式内で参照しているセルの番地も変化するのが「相対参照」、変わらないのが「絶対参照」です。
たとえば「C1」に「=A1*B1」という計算式を入力して
この「C1」のセルをコピーして「C2」に張り付けると
「C2」の計算式は「=A2*B2」と変化します。
この「A2」「B2」が「相対参照」表記です。
このとき「C1」の計算式を「=A1*$B$1」と編集すると
「C2」にコピペしても計算式は「=A2*$B$1」となり
「$B$1」の値は変わらないことになります。
この「$B$1」が「絶対参照」の表記なのです。
別の書き方をすると、再度、「C1」に「=A1*B1」という計算式が入力されているとすると
- 「A1」は「C1」の左に2つの場所にあるセルの値を参照する
- 「B1」は「C1」の左に1つの場所にあるセルの値を参照する
という相対的なセルの位置関係を示しているのです。
そのため、「C1」の計算式を「C2」にコピペすると「C2」の計算式は「=A2*B2」となり
- 「A2」は「C2」の左に2つの場所にあるセルの値を参照する
- 「B2」は「C2」の左に1つの場所にあるセルの値を参照する
というように「左に2つの場所」「左に1つの場所」という相対的なセルの位置関係がコピーされており、これが「相対参照」なのです。
今度は「C1」に「=A1*$B$1」という計算式が入力されているとすると
- 「A1」は「C1」の左に2つの場所にあるセルの値を参照する
- 「$B$1」は常に「B1」の場所にあるセルの値を参照する
ということを示しています。
そのため、今度も「C1」の計算式を「C2」にコピペすると「C2」の計算式は「=A2*$B$1」となり
- 「A2」は「C2」の左に2つの場所にあるセルの値を参照する
- 「$B$1」は常に「B1」の場所にあるセルの値を参照する
というように、「$」マークを行番号と列番号に付けることで、いつも同じセルの値を参照する、つまり「絶対参照」となるわけです。
また、「$B1」「B$1」のように行番号、列番号のどちらか一方だけ「$」をつけて固定する参照方法を「複合参照」と呼びますが、まずは「絶対参照」「相対参照」が理解できれば十分でしょう。
絶対参照の「$」マークを挿入するときに便利なファンクションキー「F4」の紹介もしているので参考にしてみてください。
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