タブレット端末などの製品にウインドウズを無料で搭載できるようにマイクロソフト社が同社の検索サイトを使う初期設定など条件付きでメーカー向けに提供する OS が「Windows 8.1 with Bing」です。
現在、タブレット端末を動かしている OS は、アップル社の iOS とグーグル社の Android OS の 2つが中心で、iOS はアップル社だけが使用するため、多くのメーカーが Android OS を採用しています。
調査会社ガートナーの発表によると 2013年のタブレット端末の世界市場シェアは Android 61.9%、iOS 36%、Windows OS はわずか 2.1% です。
これまで Windows OS はタブレット端末に搭載する場合にもマイクロソフト社に支払うライセンス料が必要で、無料の Android OS を搭載した製品のほうが大幅に安くなるため、Windowsタブレットは不利な状況でした。
グーグル社は Android OS の搭載端末が増えれば、グーグル検索がさらに使われて広告収入が増えるため、OS からライセンス料をもらわなくてもビジネスが成り立つのです。
そこでマイクロソフト社は Internet Explorer の検索サイトを自社の「Bing」に初期設定することをひとつの条件としてライセンス料を無料にする「Windows 8.1 with Bing」の提供をメーカーに対して開始したのです。
ただし、初期設定を「Bing」にしていても、利用者は設定を変更できます。つまり事実上、マイクロソフト社がメーカーにタブレット端末用の Windows OS を無料で提供し始めたといえるのです。
※ 残念ながら個人では入手できません。
「Windows 8.1 with Bing」の無料提供には検索サイトを「Bing」に設定する以外にも条件はあります。
当初は 9型より小さい画面の端末に限ると報道されていましたが、どうも例外も多いようです。
【笠原一輝のユビキタス情報局】Windows 8.1 with Bingの正体は - PC Watch
細かい部分はともかく、この「Windows 8.1 with Bing」の登場でメーカーが Windows OS をタブレット端末に採用しやすくなったのは間違いありません。
価格的にも Android OS 搭載の製品との対抗が可能になったといえます。
もちろん、市場を独占している従来のパソコン向け市場はしっかりと Windows OS のライセンス料を徴収しながら、サブで使うタブレット端末向けは無料にして Android OS に対抗していく戦略です。
これで簡単に「Windowsタブレット」が市場を巻き返せるとは思えませんが、これまでのように「Android OS 搭載の端末が圧倒的に安い」という状況は変わってくるでしょう。
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