「IPS(アイピーエス)」とは「In Place Switching」の略で、液晶ディスプレイの画面を表示するときに液晶を動作(駆動)させる方式のひとつです。画面の視野角が広く、綺麗な発色が特長です。
視野角が広いというのは、液晶画面を斜めから覗き込んでも色の変化が少なく、キレイに見えるということです。
ワイド画面やスマートフォンの画面では斜めから覗き込むことも多いため、IPS方式は有効です。
視野角が広く、高画質を実現する「IPS液晶」は、その分、価格も高いので、現在は主にパソコンの高級機に採用されています。
参照) レッツノートAX (CF-AX3) | パソコン(個人向け) | Panasonic
「IPS」方式を簡単に解説するには、まず「液晶」とは何かを知る必要があります。
「液晶」とは、固体と液体の中間状態のことで、その液晶分子をガラス板で挟んで閉じ込めます。そのガラス板に電極を付け、電圧をかけると液晶分子が一定の方向に並ぶのです。
挟んでいるガラスにも一定方向に溝が刻むことで、溝の方向と液晶分子の向きが並行になると光を通過させにくくなり、垂直になると光が通り抜けやすくなる、といった動作も可能になります。
このように電圧をかけて液晶分子の並びを変えることで「光の通過をコントロールする(明暗させる)」ことができ、「光のシャッター」を作ることができます。
「IPS」の「IP(In Place)」には「面内」という意味があり、液晶分子が電圧をかけたガラス面に水平な状態を保ったまま回転します。
垂直方向に液晶分子が傾くことによる光の遮断が少なく、斜めから見ても光量の変化が少ない(=視野角が広い)のが特長です。
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... とここまで書いても分かりにくいので、今回、参考資料としたページの図を紹介します。
図) IPS方式の液晶分子配列の模式図。
(A)が電圧OFF、(C)が最大電圧
2005年頃の古い記事ですが、図が分かりやすいので採用しました。興味のある方はお読みください。
「IPS液晶」は他の方式に比べると「反応速度が遅い」という弱点がありますが、技術開発が続き、各方式がそれぞれ工夫して弱点を減らして性能を向上しています。
そんな中でも、やはり「どの方向からでも見やすく、美しく鮮明な画面」というのが「IPS液晶」の売りになっています。
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