「Track(トラック)」には「通った跡」「足跡」「軌道」といった意味があり、ブラウザー機能としての「Do Not Track」とは「どのサイトを閲覧したか追跡しないで!」という要求のことになります。
Internet Explorer(IE)をはじめ、ブラウザーを初期状態のままで使っていると、各種サイトにアクセスするたびに「クッキー」と呼ばれる情報ファイルを受け取ったり、訪問したサイトに対して IPアドレスや端末情報などを自動で提供しています。
これらの情報をサイト側が利用すれば、ある程度、利用者のサイト閲覧情報などを追跡することができます。
特に多くのサイトに共通で埋め込まれている広告バナーなどを使えば、より利用者に最適と推定される広告を表示させることも可能です。
そういった過去の閲覧履歴情報などを勝手に使われたくないときに、サイトに情報の利用を控えるよう要求するのが「Do Not Track」です。
◆ ニュース - 米連邦取引委員会(FTC)、行動ターゲティングの拒否手段「Do Not Track」を提案:ITpro(2010/12/03)
この「Do Not Track」を検知したら、サイト側は「情報の利用を控えましょう」という仕組みです。
ただし「Do Not Track」はあくまでも要求であり、強制力はありません。
そのため IE10 で「常に Do Not Track ヘッダーを送信する」をオンにしても、すべてのサイトが追跡を止めてくれるわけではありません。
別のブラウザー Google Chrome にも「トラッキング拒否」の設定項目はありますが、そのリクエストを受けても現時点(2012年10月)では対応していないことを表明しています。
IE10 では初期設定で「Do Not Track」要求がオンになっています。
そのため、これを無視する方針を表明する企業もあります。
◆ ニュース - 米ヤフー、IE10の「Do Not Track」初期設定を無視 する方針を表明:ITpro(2012/10/29)
今後の動向と「有効性」が気になる機能です。
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