「パーソナルコンピューター(personal computer)」を日本人が短く略したのが「パソコン」です。もちろん海外では通じません。
今回は「パソコン用語解説」で最も大切な用語です。そう、もうすっかりお馴染みの言葉となった「パソコン」です。
もとは「パーソナルコンピューター(personal computer)」ですが、日本人が短く略して「パソコン」です。もちろん海外では通じません。
※ 日本人、こういう略し方、本当に好きですよね(苦笑)。
一方、海外では「PC(ピーシー)」が一般的です。
特に1981年に IBM が開発した「IBM PC」の登場と大ヒットが「PC」を世界におけるパソコンの代名詞にしたといっていいでしょう。
◆ IBM Archives: IBM Personal Computer
そもそも「コンピューター」とは「自動計算機」のことです。
「compute」は「計算する」という動詞であり、そこに「-er」を付けて「xxするもの」という名詞にすることで
指示を与えれば自動で計算や処理をしてくれる機械
となるわけです。
特に現在は、用意した「プログラム」や「アプリケーション」によって、多種多様な高度な計算や処理ができる機械がサイズに関係なく「コンピューター」といっていいでしょう。
そして「パーソナル(personal)」は「個人の」という意味ですから、
「パソコン」とは「個人用コンピューター」
となり、「パソコン」の登場までは一般の人が触れることのなかったコンピューターを身近にしたものなのです。
つまり、見慣れている現在のデスクトップ型やノート型だけが「パソコン」というわけではなく、
タブレット端末やスマートフォンも「パソコン」
といっていいのです。
これがさらに「メガネ型」や「腕時計型」になっても、さらに体の中に埋め込まれたとしても「個人が使うコンピューター」という定義に収まります。
それどころか
身に着けることでさらにパーソナルになり、より「パソコン」と呼ぶのにふさわしくなっている
とさえいえるのです。
そもそもマウスやキーボード、タッチパネルは入力デバイスの違いに過ぎず、「パソコン」は今後も、形態や入力方法は様々に進化していくのは当然です。
では最初にパソコンの「概念」を考え出した人は?となると、まずは『パソコンの父』と呼ばれることもあるアラン・ケイ(Alan Kay)氏の名前を挙げることができます。
誰もが使える未来のコンピューターのイメージを「ダイナブック」という名のコンセプトとして発表したのは業界では割と有名な話です。
この「ダイナブック」は、ノートパソコンというよりタブレット端末に近いイメージです。
ちなみに、東芝のノートパソコンの商標とは関係ありません。
そして「personal computer」を商業的に最初に成功させた人は?となると、アップル社の生みの親であり、iPod や iPhone、iPad でも新市場を再定義したスティーブ・ジョブス氏だと言っていいでしょう。
ジョブズ氏が売り出した Apple II が、まさに世界が「パーソナルコンピューター」を最初に認知したマシンといっていいでしょう。
さらにこのジョブズ氏が、先ほどのケイ氏がゼロックスのパロアルト研究所で開発中だった「Alto(アルト)」というマシンを見学する機会がありました。
彼は、そのマウスやウインドウ、アイコンやメニュー操作といった現在のパソコンでも受け継がれている様々なアイデアを満載した「Alto」を参考にして、あの魅力的なパソコン「マッキントッシュ」を生み出したのです。
こうしてパソコンの黎明期のことを知ったり、刺激的なエピソードを読んでみると、いままで単に「機械」だった「パソコン」が、多くの人々(天才たち)の情熱で生み出された「生き物」のように感じられ、さらに愛着が増すかもしれません。
「パソコン」が苦手な人でも、「歴史」「雑学」「ウンチク」などが好き(得意?)な方は、このあたりから入っていくのもお勧めです。
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