繰返し充放電ができる電池のことを「二次電池」と呼びます。現在、ノートパソコンや様々な電子機器の充電可能なバッテリーとして最も普及している二次電池が「リチウムイオン電池」です。
※ 「リチウムイオン電池」は「よくわからないIT用語ランキング」第11位
「二次電池」に対し、アルカリ乾電池などが有名な使い捨て電池は「一次電池」と呼ばれています。
一方の「二次電池」にも、使われる材料と用途によって、様々な種類と特性があります。
自動車のバッテリーなどで、以前から使われてきたのが「鉛蓄電池」ですが、比較的大きな電流を放電できること、容量あたりのコストが安いことなどメリットがあるため、現在も使われています。
それでも「鉛蓄電池」はサイズが大きくて重い、という欠点があるため、小型の機器に内蔵する用途には向いていません。
より小型な「二次電池」として「ニッケル・カドミウム(ニッカド)電池」や「ニッケル水素電池」、「リチウムイオン電池」などが開発され、充電で使える各種小型の電子機器に採用されてきました。
このうち「ニッカド電池」には
十分に放電しきらないうちに継ぎ足して充電を繰り返すと
実質的に充放電できる容量が減っていく「メモリー効果」
という現象が顕著であり、カドミウムという物質も有害なため、徐々に「ニッケル水素電池」に置き換わりました。
「ニッケル水素電池」は「ニッカド電池」と比べて「メモリー効果」が抑えられ、同じ容量なら小型化もできます。メモリー効果の問題は残っていますが、毎回、使いきったあと充電する用途には十分に使えます。
しかし、ノートパソコンの場合、継ぎ足し充電が多くて「メモリー効果」があると不便であり、さらに「ニッケル水素電池」と比べると同じ容量なら「リチウムイオン電池」のほうが軽くできます。
値段は「リチウムイオン電池」のほうが割高となりますが、性能の向上と低価格化が進む中、広く普及してきたわけです。
バックアップ用の充電池としてもリチウムイオン電池が人気です。
今後、「リチウムイオン電池」よりも軽くて大容量な「二次電池」の登場が期待されていますが、電気自動車(EV)でも採用されるなど、当面、「リチウムイオン電池」の優位性は続きそうです。
一方、「リチウムイオン電池」には発熱しやすい特性もあるので、安全に使うには保護回路による制御が欠かせません。まだまだ「二次電池」は開発、改善の余地が大きい分野です。
今回の解説では、次のページも参考にさせていただきました。
◆ リチウムイオン電池の話(株式会社ベイサン)
http://www.baysun.net/ionbattery_story.html
「なにしろパソコン」では記事内に Amazon や 楽天 が販売する商品へのリンクや画像を掲載することがあり、そのアフィリエイトリンクを経由して商品の購入があったときに販売元から広告収入を得る場合があります。
記事の情報は公開時あるいは更新時のもので、最新情報はリンク先など情報元の公式ページでご確認ください。