パソコンが登場してからよく使われるようになった言葉に「起動する」があります。「電源を入れてからパソコンが使えるまでの一連の動作」を指しており、「立ち上げる」とも言います。
この「起動する」は、いまでは当たり前のように使われていますが、以前は日常生活で使うことのなかった「コンピューター用語」です。
そしてこの「起動」は英語では「ブート(boot)」です。
何年か前に流行したエクササイズビデオ「ビリーズブートキャンプ」の「ブート」も同じつづりですが、後者の「ブート」は「新兵」を意味する米俗語で別の意味です。
なぜ「新兵」を「ブート」と呼ぶのか調べても分からなかったのですが、入隊したばかりの新兵を短期間で鍛え上げ、実戦で使える状態に「立ち上げる」のが「ブートキャンプ」といえないこともないでしょう。
「新兵」ではありませんが、パソコンも電源を入れてすぐ使えるわけではなく、最初にマザーボードに埋め込まれた初期プログラムが動き、その次にメインの記憶装置に保存されている OS が立ち上がります。
現在は、パソコンの大半がハードディスクをメインの記憶装置にしており、そこに OS が保存されています。
たとえば Windows を立ち上げるためのプログラムを動かし、OS が使える状態になるまでの一連の動作が「起動」ですが、最近ではブラウザーやエクセルなどアプリケーションを開始するときにも「起動する」「立ち上げる」という言葉は使われています。
ちなみにブーツを引っ張って持ち上げるための「つまみ皮」のことを「ブートストラップ」と呼びます。
この持ち上げるキッカケとなる「つまみ皮」をコンピューターを立ち上げる動作にたとえたのかもしれません。
さらにその「ブートストラップ」という言葉が短くなって、現在は「ブート」と呼ばれているそうです。
実はこれまで、私は「ブートストラップ」を「靴ひも」と解説していましたが、靴ひもなら「shoestring」「bootlace」ではないかとのご指摘があり、調べてみたところ確かに靴ひもではないようです。
それでも「ブートストラップ」という名前の会社があり、その社名の解説文がとても好きです。
一方、パソコンが「起動しない」というトラブルの場合、最終的な「OS が使える状態」になるまでにいくつものステップがあるため、どの段階で止まっているのかを「落ち着いて確認する」ことが大切です。
まずは「電源が入らない」ところからはじまって
「初期プログラムに問題がある」
「ハードディスクに異常がある」
「OS が動作しない」
といったことを順番に確認して、原因を絞り込んでいくのが正攻法です。
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