2007年末に登場した Office 2007 でワードやエクセルに採用された「リボン」は、画面上部に表示され、作業に必要なコマンド(命令)がボタンのように表示される横長の領域のことを指します。
当記事は 2012年公開で、2023年の最新関連記事があります。
従来は「ファイル」「編集」「表示」などのメニューをたどることで、各種操作(コマンド)を実行したわけですが、「リボン」では操作の種類ごとにコマンドがまとめられ「タブ」で分類ごとに切り替えます。
まあ、慣れてしまえば、そして覚えてしまえば、よくできたツールで、今後、最初から「リボン」を使う人には問題ないのかもしれません。
それでも長い間、ワードやエクセルは操作性がほぼ変わらず、それもあってワープロや表計算の標準となっていたこともあり、「メニュー」表示を残してもよかったのでは?と今も感じています。
「(クラシック)メニュー」を残し、「リボン」を共存させるのは、それほど難しくなかったはずです。
実際、今も Internet Explorer 9 ではメニューを初期状態で非表示にしていても「Alt」キーを押すことで表示できるのですから。
「使い慣れれば『リボン』は便利だから別にいいじゃない?」という意見もありますが、便利かどうかだけの問題ではなく、そもそも論で「OS」というのは共通の操作性が大きな利点だったはずです。
ソフトウエア会社が、勝手気ままに「このほうが便利だから」という理由を付けてメニューバーをやめ、画面の左上にオリジナルのボタンや「リボン」のような新機能を追加しはじめたらどうなるでしょう?
ほとんどのソフトで「ファイル」メニューから、ファイルを「開く」「保存」「印刷」などの共通操作ができるから Windows は便利だし、はじめてのソフトでも、基本的な操作は迷わずに済むわけです。
そのルールを最も守るべき、OS の提供元であるマイクロソフト社が特殊なインターフェースを導入するのはいかがなものかと思います。
もちろん、2007年に思い切ってメニューをなくしたことで、リボンを使わざるをえなくなり、そこから5年が経過して多くの人はリボンに慣れたというのも事実です。
新しいものに移行するときにはある程度、過去を切り捨てることが必要なことだということも十分に理解できます。
※ フロッピーディスクなんて、まさにそうですね。
それでも、ほかのソフトでは何の支障もなくメニューが使われており、Office だけが独自のインターフェースというのは違和感が残ります。
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