「ステルス(stealth)」には「秘密の」「ひそかな」という意味があり、「ステルス・マーケティング」とは「こっそりと宣伝する手法」のことで「ステマ」と略すこともあります。
利用者の口コミによる評判で飲食店を探せる人気サイト「食べログ」に、一般利用者に成りすまして、依頼されたレストランに高い評価と好意的なコメントを書き込む業者がいると報道され、話題となりました。
◆ 「食べログ」でやらせ投稿 39業者が順位上昇請け負う
(2012/1/5 MSN産経ニュース)
この「やらせ投稿」が「ステルス・マーケティング」になります。
一般の利用者を装って、お店を評価する書き込みをして「口コミ」を増やし、集客や話題作りを狙ったことが「ステマ」と呼ばれる行為です。
これはネット上に限らず、たとえば新店舗に活況感を出すためバイトに行列を作らせるのも「ステマ」といっていいでしょう。
※要するに「サクラ」「やらせ」は「ステマ」の一種ということです。
急速にネット上で口コミを利用したサイトが影響力を持ち、ツイッターやフェイスブックなど情報を一気に広められるサービスも普及する中、企業やお店が自分に都合のいい評判を広げたい、と思うのは当然です。
とはいえ、一般の利用者としての第三者的な評価に見せながら宣伝している点がズルイ、とする利用者側の気持ちも理解できます。
利用者側としては、ネット上の口コミ情報にはこういった側面もあることを常に頭に入れた上で、あくまでも参考程度に利用して、過度に信じないことが大切です。
そしてなによりも
最終的には自分自身で判断する
という心構えが必要です。
一方のサイト運営側も、業者による大掛かりな「ステマ」は自動で排除する仕組みや、偏った投稿を防ぐ工夫が必要です。反面、幅広く投稿して欲しいこともあり、あまり制約したくないのも本音でしょう。
Facebook のように「友だち」の紹介という形での口コミはさらに強力となり、さらに大きな影響力を生み出しています。
今後、どこまでなら許されるのかも含め、この「ステマ」という問題は長く続きそうです。
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