「スマートフォン(smart phone)」は直訳すれば「賢い(smart)」「電話(phone)」という意味になりますが、なにを基準に「賢い」と定義するのか、境界線が難しいところです。
たとえば携帯電話の通話機能はもちろん、ほかにもインターネット接続ができて、電子メールやウェブ閲覧、スケジュール管理などもできるインターネット対応の多機能携帯電話は十分に「賢い」といえます。
ところがすでに日本で発売されてきた携帯電話(ケータイ)は、電子メールやウェブ閲覧ができる機種が多く、それだけでスマートフォンと呼ぶなら、従来のケータイはほとんどスマートフォンということになります。
それなら画面を指先に触れて操作する「タッチパネル」を使っているからスマートフォンかといえば、米国にはキー操作が中心なのにスマートフォンと分類されている人気機種もあり、決定的なポイントではありません。
そこで現在のところスマートフォンは、 パソコンのように
豊富なアプリを自由にインストールでき、 利用者が欲しい機能を追加して自分好みにできる携帯電話
と捉えておけば良いでしょう。
※ というか、まさに「電話機能を持った携帯パソコン」そのものです。
この定義を満たすため、スマートフォンには、豊富な対応アプリを持つ専用の OS (パソコンにおけるウインドウズのようなもの)が搭載されています。
そのスマートフォンOSの市場を二分しているのが、アップルが開発した「iOS(アイオーエス)」とグーグルが開発した「Android OS(アンドロイドオーエス)」です。
ほかにもマイクロソフトの「Windows Phone」などもありますが、現状、特に日本では iOS と Android OS の2つが突出しています。
一方で、これまで日本で発売されてきた携帯電話は国内市場向けに開発され、高機能であっても日本でしか使えない独自の進化を遂げてきたことを揶揄して「ガラパゴス」ケータイと呼ばれることがあります。
◆ 「ガラパゴス・ケータイ(ガラケー)」から「ガラスマ」に進化
※ すっかり「ガラケー」で通じるようになってしまいました。
この「ガラケー」で引き合いに出されるのが「おさいふケータイ」「ワンセグ」「赤外線通信」など、便利な機能で日本の利用者にはおなじみでも、海外では普及していない機能です。
結局、日本のメーカーは Android OS を搭載したスマートフォンにも日本独自の機能を追加した機種が増えており、その分だけ割高になるため世界市場では、今後も苦戦が予想されます。
とにかく NTTドコモや au、ソフトバンクなど携帯通信会社から発表された新機種は、スマートフォンが増え続けており、今後もスマートフォンが携帯電話市場の主流となっていくのは間違いありません。
もちろん従来のケータイに慣れている人や、日本独自の機能は欠かせないという人も多いので、
スマートフォンが欲しい明確なポイントがなければ慌てて買い替える必要はない
でしょう。
このままの勢いでいけば、ほとんどの「ケータイ」が「スマートフォン」になってしまう可能性があります。
最近では新聞でも「スマートフォン」のことを「スマホ」と呼ぶなど、当たり前のものになってきてしまいました。
そうなると、また「スマートフォン」の定義は変わるかもしれませんね。
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