Windows に「安全性の欠陥」が見つかる都度、マイクロソフト社は「修正プログラム」を Windows Update で提供しています。その修正プログラムをまとめたのがサービスパックであり、Windows XP で最大のものが「WindowsXP Service Pack 2(SP2)」です。
しかし昨年来、その修正が浸透するまでのスキを狙い、その「欠陥」を悪用し、ネット接続しただけでも感染する「ブラスター」などの悪質な新種ウイルスが大流行して、社会問題にまで発展しました。
そのためマイクロソフト社は「WindowsXP」において新たなウイルスなどの被害を最小限に抑え、セキュリティ機能を大幅に向上させることができる本格的な「修正プログラム」の開発に着手しました。
そして完成したのが 2004年9月2日に一般公開された「WindowsXP Service Pack 2」なのです。
◆ Windows XP Service Pack 2 セキュリティ強化機能搭載
基本的には以下の3つの強化が目に見えるところでしょう。
1.ファイアウォール機能
悪質なプログラムがインターネットを経由してパソコンに侵入しようとするのを見張っていて、通常は使わない方法で未知のプログラムが接続しようとすると「ブロック」してくれます。
「SP2」の導入前から WindowsXP に「ファイアウォール機能」はあったのですが、最初は「無効」の状態でした。そこで今回は機能を強化するとともに、最初から「有効」になるように設定されました。
2.ブラウザのセキュリティ機能強化
インターネットエクスプローラは、ホームページの閲覧をより便利になるよう簡単に機能追加できる「ActiveX コントロール」というプログラムが使えるようにしてきました。
その「ActiveX コントロール」には悪質なものや、できの悪いものもあるため、以前から「セキュリティ警告」という画面で導入前には利用者に「注意」を呼びかけてきました。
ただし、その画面には「はい」と「いいえ」のボタンしかないため、よく読まないで「はい」をクリックしてしまう利用者が多かったため、「SP2」では「セキュリティ警告」の画面とは別に「情報バー」という表示も出るように追加されました。
この「情報バー」は他にもホームページの閲覧中に、自動的にウインドウが開くよう設定された「ポップアップ ウインドウ」を一時的にブロックして、許可するか確認してくれます。
※楽しい「ポップアップ ウインドウ」もあるのですが、広告のために見たくもないページを開かれてしまうケースや大量に開いてブラウザの動作がおかしくなる場合もあるのです。
◇ Internet Explorer によるポップアップ ウィンドウのブロック
3.Windows セキュリティ センター
Windows Update を自動で実施(更新)する設定にするよう促したり、ファイアウォールの設定やウイルス対策のプログラムが導入されているかなどを表示して、警告を出す機能があります。
ただし、たとえばきちんとウイルス対策ができるプログラムを使っているにもかかわらず、マイクロソフト社が勝手に開発をした「SP2」の基準に準拠していない、という理由で「コンピュータが危険にさらされている可能性があります」 「ウイルス対策 みつかりません」と表示するなど、まだまだ未熟な機能です。やろうとしていることは分かりますが、工夫する余地が大きい機能です。
他にも追加された機能はあるのですが、上記の3つが、導入したあとすぐにでも影響が出る部分だったので細かく紹介しました。
追記(2012/1/29)
いまとなってはかなり古い情報ですが、まだ Windows XP をお使いの方もいるわけですし、Windows XP がこの SP2 の導入によって多くのトラブルが起こしたことや、必要なメモリーが増えてしまったことを記録に残すためにも、再度、公開しました。
この SP2 によって起きたトラブルに対するサポートは本当に大変でした。
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