「さらに接続速度が向上しました!」といった広告があった場合、その隅に小さな字で「この値はベストエフォートです」などと書かれています。
エフォート(effort)とは受験英語にも出てきますが『努力』の意味です。
つまり「ベストエフォート」は『最大限の努力でこのあたり』 という保証もしないし、多くの場合、達成できない数値です。
ADSL は利用者の家から電話局までの距離が近ければ近いほど、速度が速く、理論値に近づく、というのは有名な話ですが、この「理論値」が「ベストエフォート」の値になっている場合がほとんどです。
さらに言えば「ベストエフォート」は、最低速度の保証もしません、と言う意味でも使われています。「保証はできません。でも、できるだけの努力はしました!」ということになるのでしょうか...
商売ですから「速い」ことを売りにしたい気持ちは良く分りますが、ほぼ実現不可能な理論値を使って「最大で40メガ!」といった表現をするのは無理があります。
たとえば「運がよければ40メガに近づきます!」とか...
ということで「ベストエフォート」という言葉が出てきたら、話半分くらいに聞いておきましょう。
そうすれば実際に導入後、半分くらいの速度だったとしてもガッカリしなくて済みますし、もし期待以上の速度が出れば嬉しい誤算となります。ネット生活の知恵かもしれません。
追記(2012/1/28)
記事を書いた当時は ADSL でしたが、現在でも回線速度の実際とベストエフォートとの違いの問題はなくなっていません。
特に携帯回線を使った接続や公衆無線LANなど、理論値と実際の速度との差は大きく、今後もベストエフォートという言葉には注意しないといけません。
期待していた速度が出ない!という読者の方からのメールに回答したQ&Aがありますので合わせてお読みください。
◆ ブロードバンドにはガッカリ!?(03.01.29)
このあたりが編集長の回答としては「ベストエフォート」です。
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