インターネット接続で一世を風靡した「ADSL」ですが「何の略?」と聞いても答えられる人はあまりいないでしょう。
ADSL = Asymmetric Digital Subscriber Line
非対称デジタル加入者回線
なぜ、2000年代前半に ADSL が大きく普及したかですが、まずは Yahoo!BB により料金が劇的に下がったことがあります。
次に従来と比べると高速接続だし、ケーブルテレビ回線や光ファイバ回線と違い、特別な回線を引く必要がなく「普通の電話回線」が利用できることが挙げられるでしょう。
この「普通の電話回線」のことを英語で「Subscriber Line」と言います。
「Subscribe」は「(新聞や雑誌などを)購読契約する」ときに使う動詞で、電話回線に加入する場合もこの動詞です。
一方で「symmetric(シンメトリック)」は「対称」という意味です。
※ 「sym」「syn」は「一緒に」「分け合う」といった意味で、あの
シンクロナイズドスイミングの「synchro」の「syn」も同じです。
これに「反対」を意味する「a」を付け「asymmetric」=「非対称」といった意味になります。
ADSLの場合、電話局から利用者に信号が伝わる速度(下り)のほうが、利用者から電話局に信号が伝わる速度(上り)よりも速いという技術的な特性を「非対称」と表現しています。
つまり
「普通の電話回線」を利用して、
デジタル信号を伝える速度が「上り」と「下り」で非対称な
インターネット接続方法
のことを「ADSL」と呼ぶわけです。
『非対称でない』技術方式もあるため、普通の電話回線を使ったデジタル伝送方式を「DSL」あるいは「xDSL」と総称することもできます。
普通の電話回線ではもう高速化は限界だから、すぐにケーブルテレビ回線や光ファイバ回線に移行するという話だったのに、その間にうまく滑りこんだという感じです。
追記(2012/1/28)
2000年代後半になると光回線接続が普及し、ADSL契約は頭打ちになりましたが、それでも日本でインターネット利用が広がった立役者として忘れることはできません。
それに従来の電話回線が生かせ、低料金という魅力は変わっておらず、注目されることは少ないとしても、今後も残っていく接続方法だといえるでしょう。
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