「ペンティアム(Pentium)」とはインテル社製の『5』世代目のCPUに名付けられた商品ブランド名です。
前回、CPU(Central Processing Unit)の解説をしましたが、
現在(2002年当時)、最も有名で、広く使われているCPUはインテル社製のペンティアム(Pentium)シリーズでしょう。
「インテル(Intel)入ってる!」というダジャレCMが記憶に残るほど、過半数のパソコンに採用されているインテル社製CPUですが、電卓用の「4004」を1971年に発表して以降、その製品名にはずっと数字が使われ、機能向上に合わせて数字を変化させていきました。
「4004」 → 「8008」 → 「8086」
→ 「80286」 → 「386」 → 「486」
1989年に「486(正式にはIntel486DX)」が登場し、普通に考えれば次の世代は「586」なのですが、簡単な数字では商標登録が取れないため、他のCPU会社が名前の一部に「386」や「486」を使った類似商品(互換CPU)を発売して便乗してきました。
そこで今度は登録商標を取得し、他社が真似できない名前にしようと考えたわけです。
ちなみに米国国防総省の建物は五角形の形をしており、愛称でペンタゴン(Pentagon=5角形)と呼ばれています。
つまり「Penta」というのは「5」を意味する接頭語なので、「586」では「5」を使う代わりに「Pentium」という造語を作ったわけです。
※ 「1=mono(モノ)」からモノレール(レール1本の乗り物)、
「2=bi(バイ)」からバイリンガル(二ヶ国語を話す)、
「3=tri(トライ)」からトライアングル(三角形)といった具合。
ちなみに「um」は「カルシウム(Calcium)」や「ヘリウム(Helium)」など、元素などを表す名詞の語尾によく使われています。
では「ペンティアム」の次世代CPUは「6」を表す「ヘキサ(Hexa)」を使うのかと思いきや、すでに「ペンティアム」自体がCPUのブランドとして定着したため、それ以降は「Pentium II」「Pentuim III」と名付け、そして最新のCPUは「Pentium4」となったわけです。
それぞれの世代でCPUが技術的にどう違うかなどは専門家に任せても、こういった「雑学」を知っておけば難解なパソコン用語も少し身近に感じられるかもしれません。
追記(2012/2/13)
この解説を書いて10年が経過しましたが、いまもまだ「ペンティアム」ブランドの製品があるというのは驚きです。
それだけ親しまれた CPU 名だともいえるのかもしれません。
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