関数を使わなくても Excel の「スピル機能」を活用できますか?
シンプルに配列や範囲を入力したり、そこに簡単な四則計算を追加したりするだけでも「スピル機能」を利用することができます。
Excel で、ひとつのセルに入力した数式の結果が複数ある場合、複数の 値を入力したセルから順番に隣接した複数セルに流し込むように並べて表示(配置)できる機能として「スピル機能」を紹介しました。
この「スピル機能」による表記や計算方法を簡単に紹介しましょう。
1.元の表に連動した同じ表を複製
たとえば以下のような表があるとします。
すると「E1」に「=A1:C3」と入力すると一発で複製できます。
つまり「E1:G3」の範囲に「A1:C3」の範囲にある値が流し込まれて(スピルされて)表が複製されますが、この状態で「B2」に「60」を入力すると「F2」の値も連動して「60」になります。
もちろん「E1」に「=」を入力した状態で「A1」から「C3」まで斜めにドラッグして選択することで「=A1:C3」は簡単に入力できます。
元は表でなくても 1行だけ、1列だけでも同じように複製できます。
2.ひとつのセルの値を参照して使った計算で絶対参照が不要
たとえば価格一覧に消費税を掛けた値を表示するとしましょう。
従来は「C2」に「=B2*(1+$D$2)」と入力して、税率の値を絶対参照で「$D$2」で指定して
「550」となった状態で「C2」から「C4」まで「オートフィル」することで「C3」「C4」を表示させていました。
それが「スピル機能」なら「C2」に「=B2:B4*(1+D2)」と入力すれば、絶対参照もオートフィルも使わずに「C3」「C4」を計算して表示できます。
3.「スピル範囲」を「#(スピル範囲演算子)」で表現
たとえば上記「1」の例で「E1:G3」に「スピル機能」を使って複製した表は「I1」に「=E1#」と入力するだけで複製できます。
つまり「E1」に「=A1:C3」を入力することでセルに値が流し込まれた(スピルされた)「E1:G3」という「スピル範囲」は「E1」の後ろに「#(スピル範囲演算子)」を付けた「E1#」で表現できるのです。
応用として「G5」に「=SUM(E1#)」を入力すると「E1:G3」という範囲のすべてのセルを足し合わせた数値「430」が表示されます。
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また「スピル配列」は中括弧 { } の中に数値を並べることでも表現でき、「行」か「列」かは値と値の間を「 ,(カンマ)」か「 ;(セミコロン)」かで表現できます。
たとえば「A1」に ={10,30,50} と入力すると
とスピルされ、 ={10;20;30} と入力すると
とスピルされ、={10,30,50;20,50,80;30,70,90} と入力すると
となり、ひとつのセルに入力するだけで表を表現することもできます。
理解を深めるための「パソコン用語解説」
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