ハードディスクが故障しても大切なファイルを保護できますか?
2つのドライブに同じファイルを同時に保存する設定が可能です。
パソコンでファイルの保存に使っているハードディスクや SSD などは、滅多に故障しなくなったとはいえ、いつ障害が起きるかは分かりません。
そのためにも大切なファイルの「バックアップ」は欠かせません。
もちろん最近ではインターネット経由で「OneDrive」「Google Drive」などの「オンラインストレージ」を使うことで手軽に、ほぼ時間差なく意識しなくてもバックアップできるようになったのも確かです。
とはいえ、やはり手元に保存しておきたい大切なファイルもあります。
そんなとき、2つのドライブに同じファイルを同時に保存ができるなら、片方に障害が起きても大切なデータを失うことはない、というわけです。
そんな設定ができるのが Windows 10 標準の「記憶域スペースの設定」というアプリです。
「コントロールパネル」の「記憶域」という項目を開いて
「新しいプールと記憶域の作成」をクリックすると開始します。
「記憶域スペースの設定」アプリの「ユーザーアカウント制御」画面が開くので「はい」を選択します。
すると「記憶域プールの作成」画面が開き、現在、パソコンにつながれているハードディスクや SSD などが表示されます。買ったばかりなら「未フォーマット ドライブ」、使用済みであれば「フォーマット済みドライブ」の中にあります。
※ドライブに「ローカルディスク(Cドライブ)」は含まれません。
たとえば同じ容量の外付けハードディスクをパソコンにつないでいたら「記憶域プールの作成」画面にその2台が表示されるので選択してから「プールの作成」ボタンをクリックして実行します。
ただし「プールの作成」を実行時に、保存されているファイルが完全に削除されるので注意が必要です。
「プールの作成」が完了すると「記憶域の作成」画面が開くので、
- 記憶域の名前
- 回復性の種類
- サイズ
を入力/選択します。「記憶域の名前」は自分が分かれば何でもいいです。
ポイントとなる「回復性の種類」ですが
- シンプル(回復性なし)
- 双方向ミラー
- 3方向ミラー
- パリティ
がありますが、2台のハードディスクに同時保存なら「双方向ミラー」を選択します。
これで見た目にはひとつのドライブ「記憶域(E:)」が作成されますが、容量はひとつ分となります。
実際にはファイルを保存すると2台同時に書き込まれます。
◆◇◆
「双方向ミラー」ではなく「シンプル(回復性なし)」を選択すると、2つのハードディスクを容量を合計したひとつのストレージとして使えます。
合計を越えた設定も可能です。2台で足りなくなったら新しいハードディスクを追加も可能です。
ただし「回復性なし」なので、ファイルの保護はありません。
ほかにも3台体制の「3方向ミラー」などもありますが、一般の利用者であれば2台体制の「双方向ミラー」を使えば十分でしょう。
「双方向ミラー」で、もし片方に障害が出たら管理画面で「警告」が表示されますが、新しいドライブを追加し、障害の起きているドライブを削除することができます。
もちろん「オンラインストレージ」によるバックアップがお勧めですが、
- どうしても手元に置いておきたい
- 保存したいファイル容量が大きい
- 有料のサービスは契約したくない
といった場合には「双方向ミラー」による「記憶域」の作成と利用も選択肢としてアリでしょう。
理解を深めるための「パソコン用語解説」
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