アップル社の「iPad」は「買い」ですか？

アップル社からタブレット型のコンピュータ「iPad（アイパッド）」が日本では 5月28日に発売され、マスコミでも大きく取り上げられました。

◆ iPad - ウェブ、メール、写真を体験する、まったく新しい方法。

とてもユニークな商品なので、見たり触ったりすると欲しくなりますが、「買い」ですか？と聞かれると「微妙です」と答えることにしています。

　
たとえば私も、以下の理由で当初は買う気がありませんでした。

１．居間にノートパソコンがあり、家にいる間は常に電源オンで
　　使える状態で、そこに iPad を増やす理由があまりない。

２．iPhone を持っており、さらに仕事でノートパソコンは毎日、
　　持ち歩いているので、その上で iPad を持つのは重過ぎる。
　　一方でノートパソコンを iPad に置き換えるのは能力不足。

３．アップル社に限った話ではないが、登場当初の製品には
　　改善点が見つかりやすく、第二世代で大幅に良くなる。

　
逆にいえば、

そんな「環境により、どちらもあり」という印象でしたが、今回、iPadを１週間貸してもらえることとなったので簡単に検証してみました。

※産経新聞の１面が無料で読めます。

◇ ちょっと重い

しばらく使ってみて実感したのは「思ったより重い」ということです。最も想定される使い方は片手で持ちあげ、もう片方の手で操作する姿勢ですが 約700g の iPad は片手で長時間持つには重く感じます。

もっと気軽に使うためにも、落としたときに壊れにくくするためにも、軽量化は重要なポイントで、なんとか 500g 前後にして欲しいものです。勝手な予想ですが、次世代ではひと回り軽くなると期待しています。
　

◇ 導入当初にハードルがある

また iPad は「買ってすぐ使える」というわけではなく、最初は必ず、iTunes という専用ソフトをインストールしたパソコンにつなぐ必要があり、無線LAN で接続するなら準備や設定も必要だということです。

その最初の設定だけできれば、あるいは誰かに手伝ってもらえるなら、操作は直感的なので、すぐに使えるようになります。次世代では、まずパソコンにつながなくてもいきなり使えるようにして欲しいところです。

さらに iPad にインストールして使うアプリ（ソフトウエア）も選んで導入してみましたが、確かに便利で楽しいものも多いのですが、時間もかかるので、このあたりも慣れない人にはハードルになるでしょう。

　
◇ 電子書籍リーダーとしては、まさに「これから」

そしてあと iPad が大きく注目されているのが「電子書籍」を読む装置としてですが、日本語の書籍がほとんど電子化されていない現在、洋書が好きでもない限り、まだ当分は話題の域を越えません。

少なくとも電子書籍が日本ではどうなっていくか、見定める必要がありそうです。好きな人は手持ちの本を裁断して、スキャナーで読み取り、iPad で読めるようにしていますが、かなりの準備と時間が必要です。

※著作権の切れた名作は青空文庫で読むことができます。

◆◇◆

実機も触りながらいろんなことを書きましたが、結局、この手の新たに登場した商品は「自分が満足できるか」がポイントなので、最終的には「ご自身で決めていただくしかない」ということになります。

　
ちなみに私は、いまさらですが購入する予定です。次世代を待つほうが賢いのですが、iPad についてコメントを求められることも多く、実際、使っていない商品についてあれこれ語っても説得力がないためです。

約５万円の出費はそれなりに痛いですが、この１週間、触った感じでは私なりの使い道はありそうです。そのあたりについては購入したあと、ある程度、使いこなしてから報告したいと思いますので、お楽しみに。