Office 2003 に慣れているので Office 2007 の「リボン」がよく分からないので解説してください。
まず「リボン」は「タブ」「グループ」「コマンド」という要素で構成されていることを理解しましょう。
当記事は 2009年公開で、2023年の最新関連記事があります。
古いバージョンのワードやエクセルに慣れていて、メニューやボタンを使った操作を覚えた人なら、Office2007で導入された「リボン」という新しいインターフェース(操作手順)にとまどって当然だと思います。
いままでのメニューに慣れていた人には驚くほどの変更です。
そのため以前、このコーナーでは古いバージョンのメニューを「タブ」として追加できるフリーソフトを紹介しました。「リボン」に慣れるまでは非常に有効ですし、私もいまだに愛用しています ^^;
しかし、古いバージョンのワードやエクセルを使ったことがない人や、新機能を使いこなしたい人には「遠回り」になるだけかもしれません。
そこで今回は、「リボン」の目的や基本構成、使い方を解説します。まず、マイクロソフト社が「リボン」を導入した目的は
ワードやエクセルが持っている数十個にもおよぶ大量のコマンド(操作命令)の中から、頻繁に使われるコマンドを役割や頻度で分類し、表示の順番やサイズも工夫して、より使いやすくするためです。
確かに、旧バージョンのワードやエクセルだって、どのメニューの奥にどのコマンドが隠れているのか、ツールバーに並んだいくつものボタンのどれを選べばいいのか、覚えるまでずいぶん時間がかかったものです。
それが今回の「リボン」では「タブ」「グループ」「コマンド」という3つの構成要素で、よく使われるコマンドを見つけやすくしています。
「タブ」「グループ」「コマンド」についての説明は以下の通りです。
・ 「タブ」は、ウィンドウの最上部に並んで配置されおり、「タブ」
によりワードやエクセルで実行する主要な作業を大分類おり、
「タブ」をクリックすると分類されたコマンドが一覧表示されます。
・ 「グループ」は、「タブ」で表示された「コマンド」を枠で囲んで
関連した要素、たとえば「挿入」タブの中で「テーブル」「図」と
いった枠で「コマンド」を「グループ」に分けています。
・ 「コマンド」は、各種操作ボタン、設定情報を入力するボックス、
メニューなどですが、よく使うものは、見ただけで分かるように
アイコン表示したり、表示サイズも変えたり工夫しています。
そして「タブ」の一番左にあって、ワードやエクセルを起動したときに最初に表示されるのが「ホーム」タブであり、ここには基本的な操作で最もよく利用される「コマンド」が集められています。
ですから、まずは「ホーム」タブの中がどんな「グループ」で分けられ、さらにその中にどんな「コマンド」があるか確認しましょう。
ワードの「ホーム」タブでは「クリップボード」「フォント」「段落」「スタイル」「編集」の「グループ」に分けられています。「コピー」や「貼り付け」をマウス操作で頻繁におこなう人には便利な配置です。
「貼り付け」のコマンドのサイズが大きくなっています。
ほかの「タブ」も、名前通りの分類なので難しくないはずです。実際にクリックして、中の「グループ」「コマンド」を確認してみましょう。
※ 「ホーム」「挿入」「校閲」「表示」のタブは、ワード、エクセル、
パワーポイントで共通なので、慣れれば使いやすいはずです。
◎ 「ワード」で最初から並んでいる7つの基本「タブ」
「ホーム」: 入力した文章のスタイルを変更。検索やコピペなど
文章作成中に頻繁に使うコマンド類
「挿入」: ページ、表、図、リンク、ヘッダー、テキストなど挿入
「ページレイアウト」: テーマ設定や各種ページ、レイアウト設定
「参考資料」: 目次、脚注、索引、引用文献などのコマンド類
「差し込み文章」: 挨拶文を差し込んだり、はがき、封筒、ラベル
などに差し込み印刷に関するコマンド類
「校閲」: 文章校正、コメント、変更履歴、文書の保護など
「表示」: 印刷や編集時のレイアウト表示、分割やズームなど
◎ 「エクセル」で最初から並んでいる7つの基本「タブ」
「ホーム」: 入力した数値や文字列のスタイル変更。セルの挿入、
検索やコピペなど作業で頻繁に使うコマンド類
「挿入」: テーブル、図、グラフ、リンク、テキストなど挿入
「ページレイアウト」: テーマ設定や各種ページ、レイアウト設定
「数式」: 関数のライブラリからの挿入や名前付け、分析など
「データ」: 外部データの取り込み、並べ替え、フィルタ、ツール、
アウトライン表示などデータを扱うコマンド類
「校閲」: 文章校正、コメント、変更履歴、シートの保護など
「表示」: 印刷や編集時のレイアウト表示、固定やズームなど
あと知っておきたいのは、その操作対象がない場合、表示されないタブもあることです。つまり、その状態では使われることがない「コマンド」を非表示にすることで操作を迷わないように工夫しているのです。
たとえば「挿入」タブの「図」グループから好きな「図」を挿入するとその「図」が選択されているときだけ「図ツール」として「書式」タブが表示されます。「表」や「グラフ」でも同様に専用のタブがあります。
もうひとつのポイントは、従来の「ファイル」メニューによるファイルの新規作成、開く、保存、印刷、さらに各種設定オプション項目は画面左上の「Officeボタン」による表示メニューに集められていることです。
ワードの「Officeボタン」で表示されるメニュー
◆◇◆
「リボン」などの新しいインターフェースの説明や、旧バージョンでのメニューやボタンがどの「タブ」のどの「コマンド」に対応しているかという情報は以下のページからも入手することができます。
◆ Word 2003 のコマンドに対応する Word 2007 のコマンド
http://office.microsoft.com/ja-jp/word/HA100625841041.aspx
◆ Excel 2003 の機能に対応する Excel 2007 のコマンド
http://office.microsoft.com/ja-jp/excel/HA100860481041.aspx
各ページ最後あたりに「Word のリボンの対応表」「Excel のリボンの対応表」という参照ファイルへのリンクがあり、ダウンロードできます。
ここから先は、やはり「習うより慣れろ」です。もちろん旧バージョンを使い続けたり、フリーソフトで以前のメニューを使うのも選択肢ではありますが、新しいものが現れたのにはそれなりの理由があるはずです。
ここはひとつ「なるほど、だからマイクロソフト社は『リボン』を導入したんだな!こりゃ便利だ!!」とその意図を見つけてあげようというくらいの気持ちで、新しい機能に取り組んでみてはいかがでしょう?
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