「ファイルと設定の転送ウィザード」という機能がありますが、これと「バックアップ」とはどこが違うのでしょうか?
バックアップにも使えますが、基本的には Windows XP マシンへのデータ転送のための機能です。
以前、Windows XP の「ファイルと設定の転送ウィザード」という機能を紹介して、新しい Windows XP に、古い Windows XP や Windows ME、Windows 98 から主要なデータと設定を移行できることを紹介しました。
◆ 第230回 新しいパソコンにデータを全部移し替えたい
https://www.724685.com/weekly/qa060705.htm
※ Windows Vista では「Windows転送ツール」という名前になり、
Windows Vista 同士や、古い Windows XP から 新しい Vista
マシンにデータと設定の転送ができる機能となっています。
この「ファイルと設定の転送ウィザード」や「Windows転送ツール」を使って、データや設定を外部ハードディスクや CD-R、DVD-RAM などに保存すれば「バックアップ」と同じですか?という質問がありました。
その回答としては『バックアップとしても使えますが、本来の目的ではない点を理解してお使いください』となります。
つまり、名前の通り「ファイルと設定の転送ウイザード」はパソコンのデータや設定を『転送』するときに使うことを目的としたものですが、ウィザードを実施した時点のデータや設定を保存することも可能です。
基本的に「バックアップ」とは、いつ起きるかも分からないパソコンのトラブルでもデータを失わないようにするのが目的ですから、ある意味、「ファイルと設定の転送ウイザード」も「バックアップ」に使えます。
ただし「バックアップ」では、定期的(たとえば毎日、毎週)な保存や「差分(変更のあったデータ)」だけを追加保存できるといった、常に『できるだけ最新のデータを保存』できることが望まれています。
その点、「ファイルと設定の転送ウイザード」にはスケジュール機能や「差分」の保存機能はありません。ウイザードを実施した時点で指定のデータがすべて保存されます。その点では「異なる」と考えてください。
◆◇◆
Windows XP で「ファイルと設定の転送ウイザード」を使って保存したデータ(拡張子が .DAT のファイル)は、最初にも紹介した Vista の「Windows 転送ツール」を使っても『読み込むこと』はできます。
◆ Windows Vista の Windows 転送ツールを使用して、
ファイルをインポートする方法(マイクロソフト社)
http://support.microsoft.com/kb/932410/ja
しかし、Windows Vista と XP では構造が大幅に違うので 「設定」は転送できず、ファイル類も「OldFiles」というフォルダに復元されて、あとは、復元されたデータを手動で適切に移行させる必要があります。
この点からも Windows XP から Windows Vista へデータ転送するにはWindows XP マシンが健在のうちに、新しい Windows Vista マシンを準備しておいてから「Windows 転送ツール」を使ったほうがいいです。
◆ Windows XP 搭載のパソコンから Windows Vista 搭載の
別のパソコンにデータを移すには?(マイクロソフト社PC とーく)
http://support.microsoft.com/kb/931776/JA/
これから Windows XP から Windows Vista に切り替える(データ移行が必要な)ケースも増えてくるので、そのときの参考にしてください。
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