「情報バー」ってどれですか?いつ現れるのですか?
Internet Explorer の画面上部で「アドレスバー」の下に表示される背景が薄黄色の細長い表示領域(バー)のことです。
『「情報バー」が現れません』という質問があり、回答したところ、
「あぁ、これが「情報バー」なのね。気がつかなかった。」
ということが一度ならずあったため、解説したいと思います。
まず『情報バー』とは、2004年9月に「Windows XP」の安全性を高めるために登場した機能強化用のプログラム「Windows XP Service Pack 2 (サービスパック2:以降 SP2)」で導入された目玉機能の一つです。
◆ Windows XP Service Pack 2 セキュリティ強化機能搭載
http://www.microsoft.com/japan/windowsxp/sp2/default.mspx
『情報バー』は Internet Explorer を使用中に安全性に影響を与える可能性がある動作や表示が行われようとすると、実施の直前で一時的に止め、そのことを告知する『バー(棒状の表示領域)』のことです。
その機能自体は良いのですが、問題は、その『表示方法』です。
Internet Explorer の画面上部にある「アドレス・バー」など既存の「バー」の下に、目立ちにくい「薄い黄色の背景」をした細長い領域として突然、表示されるため、慣れない人は気がつかないのです。
※ 最初に「情報バー」が表示されるときに「メッセージウインドウ」 |
さらに「ペポ」と音がしたり、一瞬、バーの色が反転したり、目立つように工夫したつもりなのかもしれませんが、背景を「薄い黄色」にしたら目立ちません。せめて枠線だけでも目立つ色にして欲しいです。
そして最大の問題は、「情報バー」の左端に【情報バー】と明示していないことです。滅多に出ないものなのですから、出たときには、きちんとそれが『情報バー』だと一目で分かるように表示すべきでしょう。
◆◇◆
ちなみに『情報バー』は Internet Explorer の設定が「既定の状態」であれば、閲覧しようとしているサイトによって、主に以下の3つの動作が実行される前に「確認と選択」をさせるために表示されます。
1.「ActiveX(アクティブエックス)コントロール」を
パソコンにインストールしようとしたとき
→ 「ActiveX」とは Internet Explorer の機能を強化する
ための導入しやすい一種のプログラムですが、悪質な
ものもあります。そこでインストールするか利用者に
知らせ、判断させるのが『情報バー』です。
2.「ポップアップ ウィンドウ」を開こうとしたとき
→ 「別ウインドウ」が勝手に次々と開く場合や、自動的に
開かれたページに悪意を持ったプログラムが仕組まれ、
問題が起きる場合があります。そこで「別ウインドウ」
が自動で開く前に利用者に知らせ、開くかどうか判断
させるのが『情報バー』です。
3.ファイルをパソコンにダウンロードしようとしたとき
→ ファイル、特に悪意を持ったプログラムを注意しないで
ダウンロードして問題が生じる場合が後を絶ちません。
そこでダウンロードをする直前に利用者に知らせ、判断
させるのが『情報バー』です。
そして表示された『情報バー』をクリックして現れるメニューから、実施の直前で止められているインストールやダウンロードなどの動作を許可するかどうか、利用者の判断で選択することになります。
要するに「事前に危険性は注意しました。あとは利用者の判断であり、その結果、問題が発生しても利用者の責任です」と明確にするためのカラクリが『情報バー』といってもいいと思います。
※ 安全性の問題を減らすために『情報バー』を機能追加したため、
便利で安全な「ActiveX」まで導入しにくくなってしまいました。
安全性強化は利便性の低下につながる場合が多く、残念です。
マイクロソフト社の図解入り公式情報も参考にしてください。
◆ Internet Explorer アドレスバーの下部に表示される
メッセージ(情報バー)について
http://support.microsoft.com/kb/884225/JA/
『情報バー』のような利用者に負担を増やす機能を追加する場合には、もっと見つけやすく、扱いやすい工夫と、分かりやすい日本語で説明する努力を業界リーダーのマイクロソフト社には期待したいです。
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