電子メールが時々、送信できません。でも、いろいろいじっていると送れるときもあります。
電子メールをいったん受信してから、送信してみてください。
「ウイルスに感染したファイル」が添付されたメールが届いても、そのメールが表示している「送信者アドレス」は、実際の送信者のアドレスとは限らない、ということは、少しずつ、一般的にも知られてきました。
◆ ウイルスに感染してないはずなのに!?
? アドレスの「成りすまし」にはご用心 ?
言い換えれば、管理の甘いプロバイダのメール送信システムを使えば、そのプロバイダの会員でなくても、他人のメールアドレスを「送信者」に設定して、成りすました迷惑メールなどを大量に送ることが可能になる、ということです。
しかし、それを簡単にやられては困るので、現在、多くのプロバイダが取り入れているのが 『POP Before SMTP』 という簡易認証方法です。
※ 『ポップ ビフォアー エスエムティーピー』と読みます。
「送信前の受信による本人認証」といった意味です。
「POP(ポップ)」は「Post Office Protocol」の略で、メールを受信して、保存してくれるサーバー(POPサーバー)から、自分のメールを受け取るときの「規則/お約束(プロトコル)」のことです。
一方で「SMTP」は「Simple Mail Transfer Protocol」の略で、メールをインターネット経由で送信するための「規則/お約束」です。
サーバーからメールを受け取るときは、他の人が受信できないように「POP」のルールで「アカウント名」と「パスワード」の入力が要求されます。一方、通常の「SMTP」では送信時に何も要求されないのです。
そこで 『POP Before SMTP』 という仕組みで、メールを送信する(SMTPを使う)ときには、その直前にメールを受信する(POP によるパスワード認証を受ける)ことを義務付けたわけです。
※ プロバイダにもよりますが 『POP Before SMTP』 では |
この「受信用サーバーを利用できた場合だけ、送信用サーバーの使用も許可する」という仕組みを採用することで、メール送信の場合でも、受信時と同様に「誰が送信したか」認証できたことにしているのです。
※ これにより、プロバイダの会員以外が勝手にメールサーバーを
使って迷惑メールを送信するのを防げますし、受信時の認証が
行われた後、送信するため「成りすまし」でメールを送信しても
送信した人の「アカウント名」が特定できるのです。
この『POP Before SMTP』という仕組みを知らず、「送受信」ボタンをクリックすると、送信を先に実施しようとするため、「メール送信ができない」というトラブルになる場合があります。
解決法は簡単で、1回メールを受信してから、そのあとでメールを送信すればいいのです。たとえば OutlookExpress の場合、「すべて受信」を実行してから、「すべて送信」を実施すればいい、ということです。
詳細は、以下のマイクロソフトのページも参照ください。
◆ POP Before SMTP 設定が必要なメールアカウントの場合
http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;ja;881609#2
◆◇◆
それにしても『POP Before SMTP』なんて名前では、普通の利用者はまったく意味不明ですよね。せめて『送信前の受信による本人認証』といった注釈でも付け加えておいて欲しいものです。
検索して探した中では「DDNet」というプロバイダの説明が図解つきで説明も、設定方法の紹介も詳しいので、紹介しておきましょう。
◆ DDNet:POP before SMTP設定方法
http://www.ddn.ne.jp/pc/support/setting/pbs/
こんな「まどろっこしい」ことをせずに、いっそのこと「SMTP」でも、送信時には認証が必要にして、パスワードなどは記憶をさせておけば面倒でなくていい、と多くの人が考えると思います。
そのため、最近では『SMTP AUTH』という新しい認証の仕組みを導入するプロバイダが増え、主要なメールソフトも対応可能になってきています。ただ設定が少し面倒なので普及には時間がかかりそうです。
※ ちなみに「AUTH」は「Authentication」の略で「認証」の意味
なのですが、それにしても「パソコン用語」には呆れます。
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