ウイルス対策ソフトは使っているのに、突然、インターネットエクスプローラを起動時に、毎回、アダルトサイトが現われるようになりました。
スパイウエア、またはアドウエアと呼ばれる悪質なソフトウエアの仕業です。ウイルスと定義できない場合も多いので厄介です。
とにかく最近、以下のような症状が数多く相談されています。
インターネットエクスプローラで、突然、アダルトサイトや
ソフト購入を勧める英文ページが現われるようになった。最初に開くホームページを Yahoo! に設定しても、起動の
たびに、やはりアダルトサイトなどが開くようになってしまう。インターネットエクスプローラに見覚えないツールバーや
デスクトップに知らないアイコンが!
これらは典型的なスパイウエア/アドウエアの症状です。以前、「今週のQ&A」でも詳しく紹介していますので、まずはご覧ください。
◆ 第67回 パソコンの情報をスパイされないように(03.04.02)
? スパイウエア/アドウエアにご用心
https://www.724685.com/weekly/qa030402.htm
※ 1年前の記事ですが、新しい情報も追加して更新しています。
その中で紹介している無償のスパイウエア対策ソフトが最近
バージョンアップしましたので、その情報も更新しています。
多くの場合、海外版の無料画像やソフトウエアをダウンロードしたときなど、同時に(多くは気づかぬうちに)インストールしてしまうソフトウエアによるトラブル(特にアダルトサイト経由が多い)です。
悪質な広告活動はするものの、パソコンを破壊する目的は少なく、特に他のパソコンへ感染しないので基本的にはウイルスではありません。
☆ アドウエアは広告が目的ですから、パソコンの調子を悪くする
必要はないのですが、広告を強引に表示させるためレジストリ
を書き換えた副作用などで調子が悪くなる可能性があります。
対処がわからず、ファイルを削除したり、レジストリをいじったり
すると、さらに症状が悪化する可能性があります。要注意です。
◆ PCの調子が悪くて困ってる人のためのサイト
http://www.higaitaisaku.com/
※ スパイウエアの対策サイトとしては、もっとも有名かつ
実践的なサイトです。すでに調子が悪い人は必読です。
とにかく(気づかぬうちだとしても)曲がりなりにも、怪しげなサイトで(知らずに「Yes」をクリックするなど)『承認』してインストールしたことになっている場合も多いので、ウイルス対策ソフトが「勝手」に削除すると問題がある場合もあり、本当に厄介な相手なのです。
最近では、大手の有名ウイルス対策ソフトでは『悪質な一部』を「トロイの木馬型ウイルス」として検出する場合もありますが、基本的にはウイルスではないので検出も駆除もできない場合が多いです。
マイクロソフト社からも正式に関連情報が公開されています。
◆ スパイウェアまたはアドウェアなどが原因で予期しない
動作が発生する(マイクロソフト サポート技術情報 827315)
http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;ja;827315
この中でも、明確に以下の場合があると明記されています。
スパイウェア/アドウェアはウイルスとは異なる
ウイルス対策ソフトウェアでは検出や削除ができない
同じく、対応策も順を追って紹介されています。特に「Spybot」など、無料の削除ツールも紹介されていますので、すでにスパイウエアの被害にあってしまった方は参考にして、対処してみましょう。
◆◇◆
この「スパイウェア/アドウェア」もウイルスと同様、いったん被害にあうと、解決が初心者には難しいので、とにかく予防が大切です。
興味本位で、怪しげなサイトに近づかない。英語に自信が
ないなら怪しげな英文表示のサイトは絶対に利用しない。
※ 自宅にいても、海外の悪質なサイトに簡単につながる |
検索中、その気がないのに怪しげなサイトが開いた場合も
落ち着いて、「Yes」 などのボタンはクリックせず、ページ、
あるいはインターネットエクスプローラを閉じましょう。『得体の知れない』 無料ソフトや画像、特に海外のものを
パソコンにダウンロード、ましてやインストールしない。ネットを通じ、便利なソフトウエアを入手して、利用する
のは楽しいですが、自信がないうちは「窓の杜」など信頼
できるサイトや雑誌で評価されているものに限りましょう。
質問をいただく中には「安心してアダルトサイトを楽しめるようにして欲しい」という、正直かつ大胆な方もいらっしゃいますが「火中の栗」を拾いにいくのですから、それなりの覚悟をしていただく必要があります。
まさに最近、話題となった「自己責任」という言葉がピッタリですね。
編集長のひとこと 1年前に「スパイウエア」を紹介したときは「利用者が気づかぬ間にパソコンから情報を盗み、外部に送るソフトがあるので気をつけて!」という、まさに「スパイ」の部分を 紹介しました。 しかし、最近はどちらかというと「アドウエア(広告用ソフト)」の部分が問題になっています。確かにパソコンを起動したら毎回「いかがわしい」ページが開く被害は分かり 易いですから。 でも、やはり「スパイ」機能の部分も、充分に気をつけていただいたほうがいいです。ウイルスにしろ、アドウエアにしろ、症状があれば対応できるし、早期治療 の可能性もあります。 自覚症状なしにパソコンから情報やウイルスが流出し続ける、そちらのほうが実際の被害は大きいかもしれません。ウイルスもパソコンの基本動作には影響がなく、本人が気づかずにウイルスメール を送り続ける、というのが主流です。 ※ 人間の病気も、気づかずに進行するものが最悪です。 とにかく大切なのは「予防」です。気をつけてください! |
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