ホームページで書類が公開されているとき、一般的な「ワード」ではなく、「PDF」ファイルが多いのはなぜ?
「PDF」ファイルは、無料で誰でも閲覧ソフトが入手できますし、再編集も制限でき、ネット上での書類公開に適しているからです。
ホームページの多くは、表示される文字サイズを利用者が好みで「大」「中」「小」と調整できたり、表示させるウインドウのサイズに合わせ、見た目の配置(レイアウト)も画面上で読みやすく収まるよう工夫されています。 |
一方、ホームページで必要な情報を見つけ、プリントアウトするとき、A4用紙では端が切れたり、不要な部分も印刷されることがあります。
つまりブラウザ(閲覧ソフト)で見やすさ、表示の自由度を重視すると印刷時のレイアウトは、どうしても犠牲になってしまうのです。
そこでネット経由で、印刷することを前提とした書類を公開する場合、それに適したファイル形式で提供される ことがあり、その中で最も普及している形式が「PDF(ピーディーエフ= Portable Document Format)」なのです。 |
◆ Adobe PDFってなに?(Adobe Systems Incorporated)
※アドビシステムズ(Adobe Systems)というソフト開発会社は
画像加工で「プロ」も愛用するフォトショップ(Photoshop)
など、画像処理、印刷関連のソフトで有名な会社です。
この「PDF」ファイルなら、無料で入手できる「アドビリーダー」というソフトウエアをインストールしておけば、誰でも閲覧できますし、作成者の狙い通りのレイアウトで紙に印刷することができます。
「アドビリーダー」の最新版は、以下のページから無償でダウンロードできますが、最近のパソコンでは最初から入ってる場合が多いです。
◆ Adobe Reader(アドビリーダー) |
普及率の高いマイクロソフト社の「ワード」のファイルのほうがいいのでは?というご質問もありますが、ポイントは以下の通りになります。
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「ワード」のファイルは、もともとインターネット経由での配布や公開を目的とした形式ではないため、ファイル容量を抑える工夫も機能も足りないので、一般的な文書の公開には不適切。
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普及率が高いとはいえ、「ワード」という有料のソフトウエアを誰もがパソコンにインストールしていなければ見られないというのでは「誰にでも読んでもらいたい」文書公開の場合に困る。
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「PDF」なら、専用ソフトを使えば「ワード」や「エクセル」など、ほぼすべてのファイルを「PDF」形式で保存できる。さらに異なるコンピュータ用に、専用の閲覧用ソフトが無償提供されており、Macintosh、Windows、UNIXなど、機種を問わずに利用できる。
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「ワード」ファイルの場合、文書を勝手に編集されたり、一部を勝手に流用される心配もあるが、「PDF」なら細かく制限できる。
といった理由もあって、今ではネット経由での一般的な文書の公開では、他の形式を抑えて、すっかり「PDF」が普及、定着してしてきたのです。
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「PDF」は、その特性から正式なパンフレットや説明書の公開に利用が進んでいます。特に政府関連のホームページでは、情報公開を「PDF」形式の書類でおこなう場合が非常に増えてきました。
たとえばインターネットの普及などを調査・発表している総務省の「通信利用動向調査」のデータは、すべて「PDF」形式です。
※ 上記のデータから、たとえば「平成15年調査」をクリック
して、お使いのブラウザで開くことができれば、あなたの
パソコンには「アダビリーダー」がインストール済みです。
※ 開いたファイルは、ブラウザの 「ファイル」-「印刷...」 を
使っても、「アドビリーダー」のツールバーで「印刷ボタン」
をクリックしても、印刷することができます。
もちろん、印刷や表示のときのレイアウトを大切にしている分、画面で表示させた場合、読みにくいのも確かなので、文書の利用目的、つまり印刷と表示のどちらに重点をおくかで使い分けされていくことでしょう。
理解を深めるための「パソコン用語解説」
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