メールアドレスは合っているはずなのに、特定の相手だけ、メールが届かず戻ってきます。
戻ってきたメールの情報を確認するのが原因を究明するには一番確実です。
メールに関する質問はいつまでたってもなくなりませんが、手掛かりはあるので、まずはそれを確認していただけると解決は早くなります。
今回のような質問の場合でも「いや、絶対にアドレスは間違ってない!」 と信じて、自分で調べずに質問をいただいたりするのですが、メールが戻ってきたのなら、そのメールの情報を確認いただくのが先決です。
多くの場合は 「Returned Mail」+「メッセージ」 という件名で戻ってくるはずです。これはメールがうまく送れなかったとき、メール送信サーバーの機能である「Mail Delivery System(メール配送システム)」が自動で送信者に送ってくれる「トラブルレポート」なのです。
ここで、もっとも良くある「メッセージ」は以下の2つです。
【1】 件名:Returned mail: Host Unknown
= そのようなホストは存在しません。見つかりません。
※ 「ホスト」とはメールを受け取るサーバーのことです。
Host not found の場合もあります
つまりメールアドレスの「@(アットマーク)」より右にある部分が
間違っているか、存在しなくなった可能性が高いです。
【2】 件名:Returned mail: User Unknown
= そのようなメール利用者(ユーザー)は存在しません。
つまり「@」より左にあるユーザー名が間違っているか、存在
しない可能性が高いです。※この場合、ホストは存在します。
たとえば(1)の場合、プロバイダが提供しているホスト名を思い違いしていたり、記入ミスする場合が多いです。たとえば、最近とても多い間違いが 「**@ybb.ne.jp」 を 「**@ybb.co.jp」 に間違えるケースです。
これは Yahoo!BB が提供するメールアドレスで、以下のアドレスの両方が使えます、というサービスのために利用者が混乱しているためです。
◆ Yahoo!メールが、もっと便利に
http://bbpromo.yahoo.co.jp/promotion/service/ymail/
※ どちらも使えるのではなく、片方だけにしたほうが便利
なのでは?家の住所が2つあると便利でしょうか?
しかも「**」の部分は同じで、使い分けもできません。
それから(2)の場合は、よく「相手から送られてきたメールに返信をしたから絶対に間違いない!」と強く主張される方が多いのですが、もし相手がメールソフトの設定で自分のアドレスを入力ミスしていたら...
はい。返信しても届くはずありませんよね。
◎ 電子メールアドレスの構造/入力のポイント https://www.724685.com/weekly/type/table09.htm アドレスを間違えない、あるいはアドレスの間違いを見抜くには、メールアドレスが、どういう構造をしているかを知っておくと役に立ちます。編集長の力作「文字入力ヒント集」も参考にしてください。 |
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実際のところ、もしメールアドレスが「完璧」だとしても届かない場合はいくつもあります。参考までに紹介しておきましょう。
相手のメールボックスがいっぱいで受け取れない場合
相手がメールの受信サーバーに受け取ったメールをずっと保存をしている場合、保存できる容量はプロバイダによって制限されているので、いっぱいになってしまえば受け取れず戻ってきます。
◆ エラーメッセージ例
The user(s) account is temporarily over quota.
◆ 対応策
相手に「メールボックスがいっぱいだから古いメールは削除
したほうがいいと思うよ」とアドバイスしてあげる。
相手が1回に受信できるメールに容量制限がある場合
すぐにサーバーがいっぱいになったり、通信の邪魔になると困るので、一定サイズ以上の添付ファイルが付いたメールは受け付けない設定にしているプロバイダがあります。
◆ エラーメッセージ例
Message size exceeds fixed maximum message size
◆ 対応策
添付ファイルを圧縮したり、分割して送ってみる。それから
本当に添付する必要があるか考えてみる。
相手の使うプロバイダが受信拒否にしている場合
たとえば 「**@hotmail.com」 など、フリーメールのアドレスを使ってメールを送る場合、相手のサーバーではそのホスト名のアドレスから来るメールは受信拒否にしている場合があります。
◆ エラーメッセージ例
Due to the following SMTP relay error
◆ 対応策
フリーメール以外のメールアドレスで送る。
このほかにも、受信相手が転送設定にしていて、その転送先が携帯電話のメールアドレスで、メールボックスがいっぱいだとか長い文章は受け付けないためにエラーで戻ってくる場合などがあります。
※ 携帯電話への転送の場合は、結局、最初のメールアドレス
には届いている場合が多いのですが、確認しておきましょう。
さて、最後にひとつだけ注意なのですが、最近ではこの「Returned mail」を装ったウイルスが蔓延しています。通常、アドレス間違いなどでメールが戻ってくるのは送信後、数分のことです。メールを送信もしていないのに「Returned mail」が届いたら、ウイルスを疑いましょう。
◆ ウイルス感染メールを開かせる手口とは
https://www.724685.com/weekly/qa040310.htm
やれやれ、本当に困った『ネット社会』ですね。
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