ウイルス対策はしているのに「自分のアドレス」で友人やほかにもウイルスメールが届いているようです。
ウイルスは「送信者アドレス」を詐称(なりすまし)してばらまくため、そのアドレスの持ち主のパソコンから送信されたメールではない場合がほとんどです。
ウイルスに関する質問の中でも、最近、特に多いので取り上げました。
まず最初に、ワクチンを最新の状態にしたウイルス対策ソフトで正しく予防して、検査をした結果でもウイルスが見つからなければ、そのパソコンは「ウイルスに感染していない」と判断して間違いありません。
次に、以下の最近では広く知られている事実を知っておいてください。
◎ 最近のウイルスメールの多くは「送信者アドレス」を |
なぜウイルス作者(犯罪者)はそんなことをするのでしょうか?それはウイルスに感染したパソコンを特定(発見)できなくするためです。
感染した人は、自分のアドレスからウイルスメールが送信されていないため、誰からも、感染したことを指摘されず、気がつきません。もちろん受け取った人も「送信アドレス」だけでは、誰が感染しているのか分から ないので、感染源を止められません。 こうして感染していても気づかず、駆除をしないままパソコンを使い続ける人が後を絶たないため、ウイルスの感染と拡大が続くのです。 |
ですから以下の2点に気をつけましょう。
自分がウイルスメールを受け取った場合、そのアドレス宛に
「ウイルスメールを送らないでください!」といった対応は
取らないでください。特に苦情めいたメールは厳禁です。
ウイルス対策しているのに「あなたのパソコンはウイルスに
感染していますよ!」と指摘されても、その指摘をした人も
ウイルスメールの「送信者アドレス」はほとんど「なりすまし」
という事実を知らないだけ、気にする必要はありません。
もし相手から指摘や苦情が続くようであれば、以下の公共性の高い機関の発表した情報を提示し、自分のパソコンはウイルス対策ソフトで常時、監視と予防をしていますと毅然とした態度で対応すればよいでしょう。
◆ 情報処理推進機構:セキュリティセンター
W32-Klezに関するFAQ
http://www.ipa.go.jp/security/virus/faq/klez_qa.html
Q1: 私のメールアドレスで、身に覚えのないメールが
友人に送られているようです。私のPCはウイルス
に感染しているのでしょうか?
A1: W32/Klezウイルスは差出人を詐称する(偽る)ので、
あなたのアドレスが差出人アドレスとしてウイルス
に悪用されているだけで感染していない可能性があり
ます。ウイルス対策を予め行っていた場合は、詐称
されている可能性が更に高いと思われます(抜粋)。
※ 「情報処理推進機構」は経済産業省が所管する法人です。
公的機関の客観的な情報として紹介できます。この中で
出てくるのは「Klez」というウイルスに関しての記述ですが、
「Klez」以降、発生するウイルスの多くは、同様の差出人
を詐称するタイプなのです。
こちらの「日経」関連サイトの解説も分かりやすいでしょう。
◆ デジタルARENA - ウイルスに感染してないのに苦情が!
http://arena.nikkeibp.co.jp/qa/internet/20040218/107168/
それでも同じ友人のアドレスから、ウイルスメールが継続して届くようなら友人が感染している可能性もありますので、「なりすまし」があると知った上で、ウイルス対策していますか?と確認してもいいでしょう。
とにかく確証もないのに「メールアドレス」のように簡単に詐称できるものだけで「苦情」や「批判」はしないことです。
◆◇◆
では自分のアドレスでウイルスメールがばら撒かれないようにするには、あるいは送られてこないようにするには、どうしたらいいでしょう?
残念ながら、自分のパソコンをウイルス感染から守る以外にできることはありません。ウイルスメールが大量に届くことに関しては、郵便箱に届く不要な広告と同様、いらなければごみ箱へ、これがすべてです。
◆ ウイルス感染メールの処理のしかた(今週のQ&A)
https://www.724685.com/weekly/qa020521.htm
自分のメールアドレスを変えればいい、という方もいらっしゃいますが、新しいアドレスで交流をした相手がウイルスに感染してしまえば、またウイルスメールが届きはじめたり、詐称に使われてしまいます。
まだまだウイルス対策をしていないパソコンの利用者は多いので、この状況は、当面、続くでしょう。感染したことさえ気づかずに、放置してウイルスメールを送信し続けている場合は少なくありません。
※ そういう方に限って「自分は対策しなくても、今までウイルスに |
ウイルスに感染したメールを届かなくする唯一の方法は「インターネット、メールをやめる」ですが、それは本末転倒ですね。
せめて自分のパソコンだけはウイルス感染による「加害者」にならないように、きちんとウイルス対策を実施しておきたいですね。
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