怪しげな電子メールを受け取りました。ウイルスに感染したメールでしょうか?
見分け方をご紹介しましょう。
ADSLや光ファイバ、ケーブルテレビ回線を使って、インターネットに常時接続できる環境を一般の方でも手に入れられるようになり、本当に素晴らしいことです。
反面、パソコンやインターネットに慣れていないうちにコンピュータ・ウイルスに感染してしまう方があとを絶ちません。さらには感染しても気づかないまま放置し、常時接続のためインターネットを通じ、ウイルスの感染を他の人に広げてしまう危険性も増えてしまいました。
「週刊なにパソ」でも、すでに何回も取り上げていますが、ウイルスの感染被害は一向に収まる様子がなく、編集長のアドレスに届く 『ウイルスに感染した添付ファイルを持つ電子メール』の数も、むしろ増える傾向にあります。
それで今回は『ウイルスに感染したメールの見分け方』を順番に紹介しますので確認してみてください。もうご存知の方も 「再確認」しておきましょう。
◎注意! あくまでもウイルス対策ソフトが適切に導入されていることを前提にしています。以下にご紹介する見分け方さえ知っていれば、ウイルス対策ソフトはいらない 、ということではありませんので、ご注意してください。 また、あとで紹介するように Windows や OutlookExpress が最新のセキュリティ状態になるように、修正プログラムを適用していることも大切です。 特に「プレビュー機能をオフ」にしておくとさらに安心です。 |
■1.まず「添付ファイル」に「注意」しましょう
電子メールでのウイルス感染はほとんど「添付ファイル」を開くことによって起こります。「OutlookExpress」なら 、受信メールの左側に「クリップ」のマークがついていれば、そのメールには「添付ファイル」がある、という表示です。
■2.「送信者」の名前やアドレスに覚えがない
もちろん、お友達から楽しい画像や大切なファイルが添付で送られてくる場合もあり、単純に「添付ファイル=ウイルス」ではありません。
そういう意味では「送信者」の名前やアドレスに覚えがないメールに 「添付ファイル」が付いていれば、ウイルスと判断していいでしょう。
結果的にウイルスでないとしても、初めての相手に「添付ファイル」をいきなり送る非常識なメールは消去しても構わないと思います。
■3.「タイトル」が不自然
多くのウイルスは海外発なので、タイトルが英語だったり、怪しげな意味だったり、無意味な記号の羅列(文字化け)になっていたりします。もちろん 、日本語のタイトルでも意味不明の場合は要注意です。
最近はそれらしいタイトルのウイルスも増えてきましたが、圧倒的に「怪しい」「英文」のタイトルが多いので、そんなメールに添付ファイルがあれば、それはほぼウイルスです。
◎ 困ったことに?1 2002年3月に「Fbound」という名前のウイルスが登場。このメール のタイトルは「重要!」「例の件」「お久しぶりです」といった自然な日本語だったため、つい添付ファイルを開いた人が多かったようです。 今後、どんどんウイルスも進化してきますので油断できません。ちなみに「Fbound」の場合は、メールに本文がありませんでした。でも新しいウイルスでは、それらしい本文もついてくるかもしれませんね。 |
■4.「本文」がない/「本文」がなぜか英文
送信者が知り合いで、タイトルもそれらしい場合は、メールを開封して本文をチェックしてみましょう。もちろん添付ファイルは 、まだ開いてはいけません!
最近のウイルスは、感染した人が知らない間に、その人が保存している電子メールアドレスに宛て、 さらに保存している別のアドレスの人に 『なりすまし』てウイルス感染したメールをばらまく場合があります。ですから、送信者が知り合いでもまだ安心できません。
もし本文に「なにも書かれていない」場合や、日本のお友達なのに「本文が英文」の場合も、ほぼウイルスに感染しています。
そして本文が間違いなくお友達の文章だとしても「ファイルを添付しました」と書かれていない場合は、やはり添付ファイルは開けないようにしましょう。
◎ 困ったことに?2 「OutlookExpress」と「InternetExplorer」の安全性の問題点(セキュリティホール)を利用すると、メールをプレビューしただけでウイルスに感染したファイルが実行される可能性が指摘され、マイクロソフト社から2001年4月には、その欠陥を解決する修正プログラムが公開されました。 しかしアナウンスが充分でないこともあり、修正しないで古い状態の「OutlookExpress」と「InternetExplorer」を使い 続ける方も多く、実際にこの「欠陥」を利用したウイルスが世界中で流行してしまいました。 そのあとも同様の欠陥が次々と発見され、悪用されています。この対策としては、とにかく手持ちの「InternetExplorer」に修正プログラムが発表されていたら、適宜、アップデートすることです。 ◆ 「Windows Update」って必要ですか?(2003.06.11) 以下のマイクロソフト社の公式情報も確認してください。 ◆ セキュリティ対策 早わかりガイド(マイクロソフト社) 「なにしろパソコン・ドットコム」でも、最新の情報や『修正プログラム』が公開されたら、逐次、「今日のひとこと」で紹介しています。 ■ 追加(2005.04.04): 修正プログラムさえ適用していれば、ウイルス対策ソフトなど使わなくても大丈夫ですか(「プレビュー」を使っても安全ですか)?という問い合わせがありましたが、セキュリティーホールは次々と新しいものが見つかるものです。ですから、不安な方は「プレビュー」は使わず、その上で、ウイルス対策ソフトもお使いになることをお勧めします。 |
■5.「ファイル名を確認」
送信者が知り合いで、タイトルも本文も自然で、ファイルが添付されていることも明確になっている場合は開いてもいい直前です。
最後に、開く前に「ファイル名」を確認しておきましょう。ファイル名が本文で紹介されている内容と合わない場合や、拡張子(ファイルの後ろにつく「.jpg」「.doc」「.ppt」など、そのファイルの種類を示す記号)が怪しげな場合は、やはり開けるのはやめましょう。
☆添付して送られてきたら怪しいファイルの拡張子
「.exe」 「.bat」 「.pif」 「.scr」 など
← 開いてはいけない
典型的なファイル
このように添付ファイルに注意して、なおかつ、適切なウイルス対策ソフトと関連ソフトのアップデートをきちんとしていれば、ほぼ電子メールからのウイルス感染は怖がる必要はありません。
◆◇◆
◎ くれぐれも以下のようなことはしないようにしましょう!
A.「ウイルス・コレクション!」などと喜んで感染したメールや
ファイルを消去せずにフォルダを作って保存をする
B.「ウイルスにかかるとどうなる?」とか「ウイルス対策ソフト
はきちんと動くか?」と興味半分で感染ファイルを開く
C.ウイルス感染メールで「送信元」となっているアドレスに
宛て、「あなたのパソコンはウイルスに感染していますよ」
と送られてきた添付ファイルを付けたまま返信する
特に「C」は、親切のつもりで行っている方がいらっしゃいますが、絶対にやめましょう。最近のウイルスは、先ほど説明したように感染したパソコン内にある別のアドレスを「送信元」に見せかけるものが増えていますので、「送信元」の人は感染していない場合があります。
◆ ウイルスに感染してないはずなのに!?(2004.04.07)
そんな相手に「あなたのパソコンはウイルスにかかっています」と返信すればどうなるでしょう?特に感染したファイルを再度、添付して返信する人もいますが、それはウイルスをさらに拡大させる恐れがあります。
ただし、もし送信元がお友達なら、別途、添付なしのメールを作成して念のために大丈夫?と「なりすまされた」可能性を知った上で確認してあげるのはいいかもしれません。
◆◇◆
ということで、ウイルスに感染したメールが見つかったら、迷わずすぐに『添付ファイルごと完全に消去』してしまいましょう!それがベストです。消去作業については次回ご紹介します。
また、繰り返しになりますが「ウイルス対策ソフトの導入」「関連ソフトのセキュリティ状態を最新に する作業(アップデート)」は非常に重要です。
さらにウイルスについて知りたい方は、ぜひ「なにパソ」の「ウイルスにご用心」 や「セキュリティQ&A集」をお読みください。備えあれば憂いなし、です。
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