[24/03/13] 「XLOOKUP関数」が「VLOOKUP関数」より便利な点

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 ≪今週の目次≫
  (1) 今週のひとこと 「VLOOKUP関数」が「XLOOKUP関数」に進化
  (2) 今週のQ&A  「XLOOKUP関数」が「VLOOKUP関数」より便利な点
  (3) 今週の用語解説 Excel の「スピル機能」とは
  (4) 編集後記    「CONCAT」も「XLOOKUP」も追加を知らなかった
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 (1) 今週のひとこと 「VLOOKUP関数」が「XLOOKUP関数」に進化
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      ☆「今日のひとこと」はこちらで https://www.724685.com/

 先週、Excel の「CONCATENATE関数」が「CONCAT関数」に進化していた
 ことを紹介しました。

 ◆ Excel の「CONCAT(コンカット)関数」とは(2024/3/6)
  https://www.724685.com/word/wd240306.htm

 そして、その情報を 10年前の記事に追記しておきました。

 ◆ 複数セルの文字列を「&」で結合してひとつのセルにまとめる
  - パソコントラブルQ&A(2014/12/10)
  https://www.724685.com/weekly/qa141210.htm

 10年ぶりの更新ということになります。


 となると、ほかにも過去に紹介した関数に追記はないか確認したところ、
 7年前に記事にした「VLOOKUP関数」も後継の関数が追加されていました。

 ◆ エクセル(Excel)の「VLOOKUP関数」とは(2017/5/17)
  https://www.724685.com/word/wd170517.htm

 それが「XLOOKUP関数」ということなので、今週はそれを紹介します。


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 (2) 今週のQ&A 「XLOOKUP関数」が「VLOOKUP関数」より便利な点
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    ☆「パソコントラブルQ&A」 https://www.724685.com/weekly/

 Q:「XLOOKUP」が「VLOOKUP」の後継関数として登場したようですが、
   何が便利になったのでしょう?

 A:「XLOOKUP」は「VLOOKUP」よりも検索の範囲指定が柔軟になって、
   検索結果の項目を複数指定すれば複数のセルに表示の可能です。


                ◆◇◆

 「XLOOKUP」は Office 2021 以降に導入された関数なので、それ以前の
 バージョンで Excel を利用している相手とファイルを共有する場合は
 使えませんが、最新の Microsoft 365 利用者同士なら問題ありません。

 ◆ XLOOKUP 関数 - Microsoft サポート
  https://go.724685.com/3TzTvG3


 この「XLOOKUP」で以前からある関数「VLOOKUP」と同じことが可能です。

 ◆ エクセル(Excel)の「VLOOKUP関数」とは(2017/5/17)
  https://www.724685.com/word/wd170517.htm

 さらに「XLOOKUP」は「VLOOKUP」でできなかった柔軟な範囲指定や検索
 結果の項目を複数指定すれば複数のセルに表示可能となっています。


 「XLOOKUP関数」の書式(構文)と定義は以下の通り。

  =XLOOKUP(検索値, 検索範囲, 戻り配列, [見つからない場合],
   [一致モード], [検索モード])

  範囲または配列で一致の検索を行い、2つ目の範囲または配列から
  対応する項目を返します。既定では、完全一致が使用されます。

 書式の [見つからない場合] [一致モード] [検索モード] は省略可能で、
 「XLOOKUP関数」を使う場合、多くは「完全一致」で「先頭の項目から
 検索」するので、今回は省略可能な項目は省略した書式で説明します。


 たとえば「名前」と「部署」の一覧表に「番号」が割り振られており、
 「番号」から「名前」と「部署」を検索する表を考えてみましょう。

    A  B    C  D  E   F  G
  1 番号 名前   部署   検索番号 名前 部署
  2  1 青木一郎 営業部  
  3  2 池田二郎 人事部
  4  3 三枝三郎 経理部


 ここで「E2」に「検索番号」を入力すると、「F2」「G2」に「番号」に
 対応した「名前」「部署」を表示、つまり「E2」に「2」と入力すれば、
 「F2」に「池田二郎」、「G2」に「人事部」と表示させたいのです。

 これを「XLOOKUP」を使うと「F2」に以下の式を入力します。

  F2 =XLOOKUP(E2,A2:A4,B2:C4)


 書式「 XLOOKUP(検索値, 検索範囲, 戻り配列)」を使って説明すると

  ・「検索値」は「検索番号」を入力する「E2」
  ・「検索範囲」は「A2:A4」で検索する「番号」の範囲を指定
  ・「戻り配列」は「B2:C4」で「名前」と「部署」の範囲を指定

  → 「F2」に「名前」、「G2」に「部署」が表示される。

 となります。もし「戻り配列」を「B2:C4」でなく「B2:B4」としたら
 「F2」に「名前」だけが表示されます。

 このように「F2」というひとつのセルに、ひとつの式を入力しただけで
 「E2」に「検索番号」を入力すると「F2」の「名前」だけでなく「G2」
 の「部署」も同時に表示されます。このように隣接した複数セルに結果
 を表示できる機能が「VLOOKUP」にはなかった「スピル機能」です。


                ◆◇◆

 同じ例で「VLOOKUP」を使うと、2つのセルに 2つの式が必要になります。

  F2 =VLOOKUP(E2,A2:C4,2)
  G2 =VLOOKUP(E2,A2:C4,3)
 
 「F2」の「VLOOKUP」式を書式

  =VLOOKUP(検索値,検索値を含む範囲,範囲内の列番号,[検索方法])

 と使って説明すると

 ・「検索値」は「検索番号」を入力する「E2」
 ・「検索値を含む範囲」は「A2:C4」で番号、名前、部署の範囲を指定
 ・「範囲内の列番号」は「2」で範囲内 2番目の「B列(名前)」を指定
 ・「完全一致」で検索するので「検索方法」は省略

 ということです。

 このように「検索値を含む範囲」を「A2:C4」と指定すると「検索番号」
 のあるセルは左端の「A列」にないと検索できません。

 そのため、同じ表だと「名前」で検索して「番号」を表示させたくても
 「VLOOKUP」ではできません。表の「A列」と「B列」を入れ替えるなら
 可能ですが、入れ替えなくても「XLOOKUP」を使えば

 =XLOOKUP(E2,B2:B4,A2:A4)

 というように「検索範囲」を「戻り配列」より右側の列に指定可能です。


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 (3) 今週の用語解説 Excel の「スピル機能」とは
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         ☆「パソコン用語解説」 https://www.724685.com/word/

 ・Excel の「スピル機能」とは、ひとつのセルに入力した数式の結果が
  複数ある場合、その複数の値を入力したセルと隣接した複数のセルに
  並んで表示(配置)する機能です。

  ◆ 動的配列数式とスピル配列の動作 - Microsoft サポート
   https://go.724685.com/3TyZQ4O

  「スピル機能」は Office 2021 以降に導入されたので、それ以前の
  バージョンで Excel を利用している相手とファイルを共有する場合
  使えませんが、最新の Microsoft 365 利用者同士なら大丈夫です。


 ・「スピル(spill)」には「こぼれる」「あふれる」の意味があり、
  複数の値をひとつのセルでは表示できないので隣接する複数のセルに
  「こぼれる」ように表示する機能ということになるのでしょう。

  ◆ spillの意味 - goo辞書 英和和英
   https://dictionary.goo.ne.jp/word/en/spill/#ej-80096

  「スピル機能」対応の Excel でシンプルな例を考えると

  セル「A1」に「10」、「B1」に「50」、「C1」に「30」

  を入力したあとで、「A2」に「=A1:C1」と入力すると

  「A2」に「10」、「B2」に「50」、「C2」に「30」

  と 1行 と同じ値が 2行 に表示されます。

  
 ・この例で「スピル」されたセル「A2」「B2」「C2」のいずれかを選択
  すると「A2」から「C2」までのセルをすべて囲む強調された境界線が
  表示され、領域外のセルを選択すると消えます。
  
  この「スピル」領域で数式を入力した最初のセルは選択すれば編集が
  できますが、ほかの(スピル範囲の)セルを選択しても「数式バー」
  に数式が薄く表示(ゴースト化)されますが編集できません。

  もし「スピル範囲」のセルに何かを入力すると「#スピル!」とエラー
  表示が出るので「スピル範囲」は空白にしておかないといけません。

  ほかにも「スピル機能」に対応した関数、たとえば「XLOOKUP関数」
  を使った式でも複数の値を隣接したセルに表示することができます。


============ ◇ 編集後記 ◇ =======[Top に戻る]

 正直、Excel は成熟したアプリで、追加されるのは画像やグラフなどの
 「見せ方」機能がほとんどと思っていましたが、先週と今週で紹介した
 「CONCAT」や「XLOOKUP」関数は結構、よくできていると感じました。

 さらに「XLOOKUP」関数を活かす「スピル機能」も恥ずかしながら今回、
 記事にしたことで初めて知りました。もっとバージョンアップのときに
 積極的にアプリ内で紹介すればいいのに、と思うのは私だけでしょうか?
 
 ということで今回、取り上げましたが、何かしら参考になれば幸いです。

                           (編集長・林)

 ※ 次回の配信は 2024年3月21日(木曜日)の予定です。

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